目次
つまみ細工とはおもに着物を着たときに髪に飾る、布で作られたかんざしや髪飾りのことを指します。
ちりめんなどの生地を使い、布を折り曲げて台紙に放射線状に貼り付けてある状態のもので、花を表現したものが多いですが、おめでたい鶴をモチーフに作られたものもあります。
つまみ細工に使われているのは基本的にはちりめんや正絹と呼ばれる着物に使われている生地を細かくカットしたものです。光沢があり艶やかな生地が繊細なつまみ細工をより高級感のあるものにみせているのかもしれません。
つまみ細工というだけあって、正方形に切り出された小さな生地を折り曲げてピンセットで摘んで作り上げていきます。生地を摘んで土台に貼り付けていくのでつまみ細工なのです。わかりやすいネーミングですね。
つまみ細工はちりめんや絹以外の生地でも作られていて、綿や化学繊維、固さのある生地の方が作りやすく、ハギレを使って作れるのも魅力です。
小さな生地を摘んでいくので細かな作業が多いのですが、出来上がりはとても華やかなので作り甲斐もあり趣味として始める方も多くいます。
私は始めて作ったときはキットを使って作ったので簡単にできました。材料を揃えるのが意外と大変なので、こうしたキットを活用してみるのもおすすめです。
それではつまみ細工の作り方を簡単にご紹介したいと思います。
・生地
・ピンセット
・裁ちばさみ
・厚紙
・ボンド
・つまようじ
生地を正方形に切り出していきます。つまみ細工作りの作業で一番大変な作業ですが、この作業が終わると楽しいつまみ作業に移れるので頑張って切り出しましょう!今回は3×3cmを8枚切り出してください。
このとき、土台に貼るための生地も切り出しておきます。土台となる円のサイズよりも1~2cmほど大きなサイズにカットしてください。
厚紙に直径2.5cmの円を描いて切り抜き、片面にボンドを塗ったら土台用の生地を貼り付けます。
はみ出した部分は丸くカットしてはさみで切り込みを入れ、ボンドを塗って裏側に生地を引っ張りながら貼り付けます。表面にシワが寄らないように気を付けましょう。
正方形の生地を対角線上にピンセットで挟み、三角に折り曲げてさらにもう一度三角に折りたたみます。
生地の縁を斜めに切り、切り口にボンドをつけます。しっかり摘んでいないと形が崩れるので気を付けてください。
あらかじめ作っておいた土台に貼り付けていきます。
その後、貼り付けた生地を広げたり程よく引っ張ったりして形を整えます。ボンドが乾くまでは上手く生地を動かせるのでしっかりと形を整えましょう。
中心を軸にして花びらとなる摘んだ生地をぐるりと貼り付けてください。花の種類によって枚数が異なると思うので貼りたい枚数を均等にのせるのがきれいに作るポイントです。
今回は8枚なので4枚貼り付けた状態できれいに台紙の半分の中に入っていればOKです。
花の中心に花芯を取り付けます。ボンドで貼り付けるのが一般的です。
ペップを何本か一緒にまとめて細い針金や糸で巻きます。余分な芯を切り取ったら花の中央に穴をあけて、そこにボンドを塗りペップを差し込んでください。
花芯には通常ペップというものを使いますが、ペップの代わりに座金を使ったりビーズやパールを使ったり、それぞれを組み合わせたりとさまざまな工夫ができます。
これで完成です。今回は花びらが尖がったような形をしている花を作りました。
生地の折り方や貼り付けるときの生地の膨らませ方、貼り方によっていろいろなバリエーションの花びらを作ることができるので印象がかなり違ったちりめん細工を作れます。
かんざしにする場合はさままざなバリエーションの花を組み合わせて作ると華やかな仕上がりになります。
こちらのコームは丸みを帯びたフォルムの花びらを5枚ずつ使って作られた花に、今回作った先の尖った形の花を組み合わせています。大きさも変えて作ると全体の調和が取りやすいです。
出来上がったつまみ細工にブローチピンを取り付けてブローチにしてみました。バッグやポーチに飾ってみるのもいいですよ。
つまみ細工を使ってかんざしを作るには土台に針金を取り付けたり、かんざしに取り付けたりする作業がいります。
また、さがりを作ったりつまみ細工以外の飾りを組んでより華やかなかんざしに仕上げることもできます。
髪に挿すための土台となるのが、かんざしやコームのパーツです。
・かんざし
・コーム
針金はつまみ細工の土台をかんざしの本体に立体的に取り付ける際に必要になります。
針金に紙が巻き付けられたタイプの#24(針金の号数です)が程よく硬くて簡単に曲がるのでおすすめです。
かんざしなどに巻き付けて針金を隠し、パーツをかんざし本体に取り付ける際に使います。
最近ではフローラテープで代用してあることもあります。
正絹極細糸という、おそらく本物の絹糸を使った糸もあるようです。
ということは簡単に手に入る極天糸は化繊で出来ているということでしょう。
子供用のかんざしには銀ビラがよく使われます。舞妓さんのかんざしにも使われている銀色のビラビラとした細い板状の飾りです。
成人式のときに使うかんざしには銀ビラは使わないので、若さの象徴なのかもしれませんね。
まず台紙の中央に目打ちなどで穴をあけたら針金を通して先のほうを曲げて紙に引っ掛かるようにしておきます。
次に裏から生地を針金に通してボンドで貼り付けてください。
あとは上記の作り方と同じようにはみ出した部分を丸くカットして切り込みを入れてからボンドを塗って台紙に貼り付けます。
最後に折り曲げた針金にしっかりとボンドを塗ったら丸く切った生地を貼って完成です。
針金をひとまとめにしてボンドを塗ったらまず極天糸で巻きます。
その後針金を適度な長さにカットしたら、巻いた極天糸にボンドを塗ってかんざしにあてがい極天糸を巻き付けます。緩まないようにきつく巻き付けてください。
巻き終わりは糸にボンドを塗って巻いた部分に馴染ませます。ボンドが乾くまではしっかりと押さえておかないと外れてしまうので要注意です。
※次回、違う形の花びらや「垂れ」の部分の作り方などもご紹介していきます!
『工房 和 横浜』さんはかんざしの材料を扱っているお店で、筆者自身も子供の七五三用につまみ細工のかんざしを作ったときに利用しました。
支払い方法が銀行振込のみとなっているのでやや手間はかかりますが、本格的な商品が揃っているのでおすすめです。
一輪ずつ作ったつまみ細工を組み合わせることで結った髪に挿す大きなかんざしにすることができますが、単体でヘアピンや輪ゴムに取り付けてヘア飾りにしたり、今回のようにブローチにすることも可能なので気軽に作って飾ってみてください。