こぎん糸の色の種類や代用品について解説していきます。
こぎん刺しの基本的な糸は白や紺などの単色です。
昔は白い糸で紺色の麻の生地に刺していたと言われているので、古典的なものを作ってみたい方はまず単色から始めてみると良いかもしれませんね。
現在ではこぎん糸にもさまざまなバリエーションの単色の糸が発売されていて、化学染料で染めた鮮やかな色のものから、草木染のように自然の物を生かしてナチュラル感のある色付けがされているものもあります。
さらに生地の色との組み合わせによっては単色と言えども無限に楽しめるのがこぎん刺しの魅力の一つです。
グラデーションの入ったこぎん糸は刺してみると分かるのですが、1本に濃淡が付けられていてとても華やかな仕上がりになります。
そこには単色にはない楽しさがあるのですが、色が分かれている分、次に使う糸の色が前回の糸と繋がるように考えながら刺していく必要もあります。
その点ザクザクと刺していける単色の糸にはない苦労というものもありますが、出来上がったときの感動は何物にも代えがたいものです。
こぎん刺し用の糸が無い場合や手に入らない場合は刺繍によく使われる25番の刺繍糸を代用として使うこともできます。
刺繍糸は彩りが豊富なのでさまざまな色を楽しむことができるのが良い点ではありますが、縒りが専用の糸に比べて甘く、柔らかいので何度も生地の穴に通していると毛羽立ってくるという難点もあります。
とはいえ、ちょっとしたものを刺す分には十分に代用になるのでわざわざこぎん糸を揃えるのは面倒だなと思う方はお手持ちの刺繍糸を使って刺してみても良いかもしれません。
メーカー別の糸の違いや出来上がりの差についても触れながらのご紹介です。
手芸店で手に入れることができる糸というえばオリンパスのこぎん糸なのではないでしょうか。(津軽地方などこぎん刺しのお膝元であれば数多くの糸が売られているかもしれませんが…)
オリンパスの糸は柔らかく、縒りもあまりかけてない刺繍糸のような感じの糸になっています。
ふんわりとした仕上がりが楽しめますが、こんもりとした雰囲気を楽しみたい方には物足りなさを感じてしまう糸です。
越前屋のマタルボンという糸は刺繍糸やオリンパスのこぎん糸が6本取りなのに比べて8本取りと糸のほんすうが多いので必然的に一針が太くなります。
縒りはオリンパスのものと変わらないくらいかなり甘い縒りです。ふんわりとした刺し目に仕上がります。
津軽工房社のこぎん糸は縒りが強めで刺すとこんもりとした目に仕上がります。
こちらのほうが縒りの甘い糸よりもこぎん刺しらしいと筆者は思いますが、こればかりは好みの問題なのでどちらの糸でも気に入った方を選んでもらえればと思います。
染めの種類が豊富で、グラデーションや2色を使って染めた糸など、個性的な糸が数多く揃っています。
桜染めで有名な夢細工のこぎん糸は草木染めで染めた彩り豊かなこぎん糸が多く揃っています。
現時点ではすべてグラデーションの入った糸しか取り扱ってはいないようですが、素晴らしい色の出かたが非常に美しいです。
撚りが強くよく滑るので刺しやすさも抜群です。
糸はメーカーや販売するお店によって糸の質感や撚りの強さが異なります。
ネットでお取り寄せができるのでぜひ色々な糸を試して刺してみてくださいね。