こぎん刺しの模様1つ1つのことをモドコといいます。
津軽弁で元になるという意味で、このモドコをいろいろと組み合わせて図柄を描いていくのです。
モドコの数は多く、40種類ほどもあります。そのため何通りもの図柄を作り出すことができます。
モドコは基本的に奇数の目の組み合わせで刺していきます。
そのため中心から左右対称になるデザインのものが多く、コングレスに刺すと正方形を傾けたような上下左右の高さが同じ長さの菱型になります。(本来こぎん刺しを刺していた麻の生地を使うと縦長の菱型になります。)
それではモドコの種類について続きを見ていきましょう。
線を引いただけのようなシンプルな模様です。
幾何学模様として現代的におしゃれにこぎん刺しを刺したいときに使えるような模様ですね。
マメコが四方に配置されているので目をしっかりと数えて刺していかないと模様がずれてしまいます。
ベコとは馬の意味です。どこらへんが馬なのかはよく分かりませんが、かなり複雑な模様をしています。
たくさん繋げて刺すとモドコの名前とは違って上品な雰囲気を持った模様になります。(ベコ刺は、ベコの足と呼ぶ場合もあるようです。馬の足の模様だったんですね。)
コマクラ(小枕)刺しとも言ってモドコの種類その1でも紹介したキクラコの仲間なのでしょうか。
キクラコとは木の鞍のことを言うそうです。馬にのせた鞍のことなのでしょうか。
詳しくは何処を探しても載っていないので筆者は勝手に馬の鞍だと解釈しています。
木の根のということは木の根で作った鞍なのでしょうか?その時代には当たり前にあったものなのか、この点は謎です。
馬に乗るときに口にはめて操るための道具のことで線状になった部分が紐のようにも見えます。
枠線のない模様もありますが、今回は枠線を入れて刺してみました。
かなりユニークな模様のように思います。
こぎん刺しの模様には馬をモチーフにした模様が多くありますね。生活に密着していたことが伺えます。
まんじとも言います。もっと大きな柄もあります。
まんじ模様の先に線がいくつも重なったような模様は繋げて刺すと圧巻です。
紗綾型は刺し子の模様にも出てきます。宗教的な意味合いのある模様でもあり、昔から身近な図柄だったのでしょう。
マメコを上下左右に繋げて刺したものがマメコの連続です。
裾や袖などの端の方に刺されることが多いようです。いくつでも刺し続けられるので使い方次第で面白い模様が描けます。
マメコの連続刺しは一見すると蔵のなまこ壁のようですね。
今回こぎん刺しのモドコを刺していきましたが、新たな発見もありモドコの奥深さを知ることができました。
繰り返し使われる基本形(マメコやハナコ)の刺し方をしっかりとマスターしておけばもっと早く刺せるようになるかもしれません。
ところで今回はオリンパスのこぎん糸を使って刺したのですが、オリンパスのこぎん糸で刺すと縒りが少し甘いのでモコモコとした刺し目にあまりなっていないなというのが感想です。
ふんわりとしているのも悪くないですが、次回は縒りのきつめなこぎん糸を使って刺してみたいです。