英語ではヒースとも呼ばれる和名エリカは縦に長い枝にびっしりと付いた小花が印象的な花姿で、寒さに強い品種が多いので冬枯れで寂しくなった庭を鮮やかに彩ってくれる植物です。
筆者もエリカの花姿にほれぼれとしてしまった1人なのですが、縦にずんずんと伸びる品種もあり、クリスマスツリーのように仕立てたものもあります。非常に面白いです。
枝にびっしりと生えた葉は針のように尖がっていてエリカ独特の姿を形成している要素ですね。
花も枝にびっしりと生えたように咲くのでとても華やかです。
エリカは品種が多く花色も多いのが特徴的でエリカ属に属する植物は700種以上もあるそうです。
驚きですね。比較的育てやすく、植え付ける土さえ間違えなければ手入れもあまり必要がなく元気に育ってくれます。
エリカとういう名前は「エイレケー」というギリシャ語からきています。
エイレケーとは砕くという意味で、エリカがその昔薬用として用いられていたときに悪いものを砕いたとされた理由からこの名前が付けられました。
今でもエリカはハーブとして使われていて、利尿作用や腎臓の働きを助けたり、お肌に良いとも言われています。
冬の花だと思われがちなエリカですが、実はエリカには多くの品種があり、品種によっては秋ごろに咲くものもあれば初夏の時期に咲くものもあります。
これらの品種は南アフリカ原産種とヨーロッパ原産種にざっくりと分けることができます。
《南アフリカ原産種とヨーロッパ原産種》
南アフリカ原産種
南アフリカ原産種は開花時期が冬であることが多いです。高く成長する品種が多く、野生種が大半を占めます。あまり交配はされていませんが、花姿などが個性的な品種が多く日本でも愛されています。
・ジャノメエリカ
・ファイヤーヒース
・ブランドフォーリア
・クリスマスパレード
など
・ヨーロッパ原産種
耐寒性が強く小ぶりな花を咲かせるのが特徴です。品種の掛け合わせが頻繁に行われており、開花時期が大きくことなるのもヨーロッパ原産種の特徴になります。
・アルボレア
・ヴァガンス
・キネレア
・ダーリーエンシス
など
どちらの品種も夏の暑さが苦手なため鉢植えにして育てると涼しい場所に移動ができるので長く楽しめます。
品種によって植え付けに適した時期は異なりますので、それぞれの苗が出回る時期が植え付けの時期になるでしょう。
鉢から出して植え替えをするならば4~5月が適期になります。エリカは根は短く細かいので地植えをしている場合は植え替えない方がいいです。
エリカは高温多湿を嫌うので、水はけの良い弱酸性の用土にします。
鹿沼土とピートモスに水はけが良くなるよう赤玉を混ぜて土を作ります。
ピートモスの分量が多いと根腐れしてしまうので注意してください。
ピートモスは控えめに、後は均一になるくらいで土を作ります。
苗をポットから取り出し、根鉢をほぐしてから植え付けます。
植え付けが終わったら日当たりの良い場所に置きたっぷりと水をあげましょう。
多湿にならないように水やりは土が完全に乾いてから与えます。
またエリカは根が短いので乾燥が続くと枯れてしまいます。
鉢植えの場合は水やりを切らさないようにするのも大切です。
寒くなってきたら南アフリカ原産種のものは室内に入れて育てます。
暖かくなってきたら屋外に出して育てます。
どの品種も暑さには弱いので(南アフリカ原産種のものの中には高温に耐える品種もあります)夏の暑い時期は室内に入れて育ててください。
花が終わったらそのままにしていても問題はないですが、形を整えるために刈り込んであげてもいいです。
大きく上に伸びる品種は高さを抑えるために枝を途中で切って止めてあげるといいでしょう。
アルボレアやジャノメエリカなどは放っておくと何メートルにも成長するので高さを抑えてあげた方がよいです。
カイガラムシが付いたときはブラシで擦って落とします。
カイガラムシ用の薬剤があるので噴霧しておくとその後カイガラムシは付かなくなります。
ハダニやアブラムシは薬剤を使って退治しましょう。
暑さに弱いエリカですが、冬の花が無くなる時期に庭を華やかにしてくれる植物なので温度管理に注意して、ぜひ育ててみてくださいね。