チューリップの回でご紹介したようにスイセンは秋植えの球根になりますから、10~11月ごろが植え付けに丁度良い時期になります。秋植えの球根の植物は寒さに強いのでとても育てやすく、スイセンは何年かに一度掘り上げて株分けしてあげるだけであとは土の中に植えっぱなしでもOKなので、育てやすさもあります。スイセンはさまざまな種類があり、10,000以上もの品種があると言われています。特にニホンスイセンは香りの良い可憐な花を咲かせるので昔から愛されています。
植え付けに適した時期は気温が段々と下がり始めた秋が植え時です。ニホンスイセンは年内中に花を咲かせるので9月の下旬ごろから植え始めます。遅すぎると花が咲かないので注意しましょう。
日当たりが良く水はけの良い土に元肥を混ぜ込み、15cm間隔で植えると良いでしょう。植え付けたらたっぷりと水をあげてください。
庭に植えた場合はその後水やりは不要ですが、プランターや植木鉢に植えた場合は土が乾燥したらたっぷりと水を与えてください。芽が出てきたらリン酸の多く含まれている液体肥料を与え、花が終わったら早めに花がらを摘みます。茎や葉が黄色く枯れるまでは液肥を与え続けて、5~6月ごろに枯れたらプランターや植木鉢に植えていた球根を掘り上げます。来年植えるときには株を見て適した大きさの鉢に植え替えてください。庭に植えている場合は3年ほどはそのままで大丈夫です。4年目に掘り上げ株分けをして、悪くなった球根を除き土を良く取り除いてから保存し秋に植え付けをします。
どうしても南側に植えたい場合は支柱を立て、ワイヤーでフックを作ってから開く前のつぼみにフックを掛けて傾けてやると傾けた方向に花が咲くようです。私は自然のままに任せているのでやったことはないですが、気になるという人は試してみてください。
またスイセンの球根には毒があり、葉がニラに似ているので間違えて口にしてしまったという報道もたまにありますよね。誤食しないように気を付けましょう。
10,000種類ある中のほんの一部ですがスイセンの種類をご紹介します。
ニホンスイセンは数あるスイセンの品種の中でも日本や中国を原産地(元は地中海地方と言われています)とするスイセンで、スイセンを大きな種類で分けたときのタゼッタ系統にあたり、房咲きが特徴のスイセンです。草丈は30~40cmほどで、12月ごろから翌年の2月ごろまで開花を楽しめます。
副花冠がラッパのように見えることからラッパスイセンと呼ばれています。副花冠が花びらと同じくらい長いものを指してラッパスイセンと言い、スイセンを大きな種類に分けたときの系統の名で他には大カップや小カップ、八重咲、タゼッタなどの系統もあります。
八重咲の品種で豪華な花姿が特徴的です。副花冠が咲き始めは淡いオレンジ色をしていますが徐々にサーモンピンクへと濃く変化していきます。草丈は30~40cmほどで、3~4月にかけて開花します。
ラッパスイセンの品種で副花冠はやや短めです。咲き始めはクリーム色をしていますが徐々に白へと変化していきます。草丈は40~45cmほどで、3~4月にかけて開花します。
ニホンスイセンは他の花がまだ咲かない初春ごろからきれいな花を咲かせてくれるので、これからやってくる春の訪れを告げてくれるとともに、寂しい花壇に清々しい華やかさを添えてくれますよね。私も大好きです。我が家でも植えっぱなしですが、毎年花を咲かせてくれています。香りがとてもいいんですよね。みなさんもぜひ育ててみてください!